ペダルの個体差
ボリュームの話し
皆さんは同じペダルを2つ並べた時、同じ音がすると思いますか?
たぶん、傾向は同じですが全く同じ音はしないと思います。
それは部品の誤差からくるものです。
例えばボリュームポット…
一般的に使用される Alpha社の 16mmポットは誤差20%で規格されています。
簡単に言うと1MΩのポットだったら800KΩから1.2MΩが規格内
その差400Kオームです。 ここまで極端な差はありませんが
これだけ差があると同じ位置で全く同じ音が出ることは難しいと思います。
選別すれば?とか言われそうですが、この辺は厳密にぴったりした乗数でなくとも
聴覚上あまり違いは感じないかもしれません。
ボリュームにクリックのついているタイプで各ポジションが
どのくらいの倍率になっているか?
気になったのでサンプリングしてみました。
500KΩAカーブは疑似的に作ったのでこれが正しいかどうか検証が必要ですが、
Aカーブは12時以降の抵抗値が大きく変わっています。
Bカーブは12時でほぼ中間の乗数となっています。
聴覚上はAカーブ(Audio Taperと呼ばれている)のほうが滑らかな歪みの増減に聞こえます。
今回の実験でAカーブは7時から12時まで500Kオームも1MΩも
大きな違いはなく、12以降に乗数が増えてることがわかります。
オーバードライブやディストーションのゲインに
Aカーブを使うと歪みの調整がしやすくなり
Bカーブを使うと歪みが早い段階から現れてくるようになります。
ボリュームに
Aカーブを使用するととても滑らかな音量の立ち上がりとなります。
Bカーブを使用すると聴覚上12時の位置でフルボリュームに近い音になると思います。
以前、あるペダルが同じ回路なのに出音が大きい!という現象があり
数週間悩んだ結果、ボリュームにBカーブを使用しているのだと
推測でき安心して眠れるようになったことがあります。
(単に出力の立ち上がりが早かっただけなんです…)
製作する立場からすると一つ一つ全く同じ位置で同じ音を
理想としているのですがポット以外にも誤差の要素が大きく
なんとも悩ましいです。
でも、外せない部分(電源周りや復帰の乗数)や
追記:500KΩAのDetendが見つかりましたので情報をアップします。7時: 1.7Ω 1時: 94.1KΩ
8時: 3.8Ω 2時:224.2KΩ
9時: 9.7Ω 3時:378.0KΩ
10時:30.6KΩ 4時:512.2KΩ
11時:53.3KΩ 5時:514.5KΩ
12時:73.5KΩ <<< センター
上の表②の1MΩ並列疑似500KΩとはちょっと違った動きですね。
センターが73.5KΩなので、この時の倍率は15.6倍となり
やはりハムバッキングや出力の大きなピックアップには500KΩAを
使うことでゲインボリュームの前半で細かい設定ができることになります。
ローゲインはあえてDetend(クリック式)を使わないほうが
良い結果が出そうな気がします。
もう一つの理由にシングルを搭載したギターにはマスターボリュームがついていますので、
ギターの出力をバランスよく調節できますが、ハムバッキングを搭載したギターは
ボリュームがそれぞれ独立していますので、ギター側で出力を調節が
難しいため、ゲインの細かい調整はエフェクト側で行ったほうが良いためです。
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